

2月24日午前9時。一匹のワンちゃんが息を引き取りました。
名前は帝王。柴犬の男の子です。
病名は腎不全。
病気がわかったきっかけは春のフィラリアの検査の時でした。
当院では春のフィラリアの検査のときに血を少し余分に採血して肝機能や腎機能を
調べる健康チェックをお勧めしています。
すべての飼い主さんがこのような検査をやられるのではありませんが、それぞれのワンちゃんの正常値もわかりますのでご希望がある場合に限りさせていただいています。
帝王君は数年前の検査で腎不全がわかりました。その後、食事を腎不全のワンちゃん用の処方食に変更し、特に問題なく過ごしていました。
今年に入り飼い主さんから相談をいただきました。
ご主人の仕事の都合で海外にこの春から行かれるとのことでした。
最近、このようなご相談を受けることが多くなりました。年に1から2回はあります。
日本から海外へ動物を連れていく場合、厳しい検疫の国もあります。その点を飼い主さんにご説明させていただいたところ、ご自分で様々調べられました。
多くの場合、
引っ越し業者さんがそういった手続きに必要な書類を事前に準備していただき、また処置や検査をして必要書類の準備のお手伝いをさせていただくのですが、今回本当に飼い主さんは積極的に自ら動かれぼくが作るべき書類までひな型を作っていただきました。
1月の末に準備をはじめスケジュールどうりあとは進めるだけになっていました。
2月の初旬に急激に痩せてきて元気がないということで来院されました。
血液検査をしてみると腎不全がかなり進行していました。腎不全が進行すると尿毒症という状態になり、おう吐を繰り返し、食事を食べなくなります。ひどい状態になるとけいれん発作を示す場合もあります。
飼い主さんからは「数日後に家を探すために現地に赴かなければならない。それまでどうか生かしてほしい。」とお話を聞きました。
帝王君は頑張ってくれました。
猫の腎不全は多少改善が見られる場合が多いのですが、犬の場合は進行が早い傾向があります。にもかかわらず飼い主さんが帰国されるまで頑張ってくれました。
その後、話し合いの結果、「おうちで看取ってあげたい。」とのご要望があり、2月14日に退院しました。
約10日間、最後の時を共に過ごされました。
飼い主さんがたにとってはつらい日々だったとお察しします。
そして、今日、帝王君は旅立ちました。
幸せだったね、帝王君。
頑張ったね、帝王君。
飼い主さん達が外国に行っても空の上から見守ってあげてね。
君とのご縁に僕も感謝しています。有難う。
最後に飼い主さんからのメールの言葉です。
岩倉動物病院
加藤先生
○○です。お世話になっております。
今朝の9時ごろ、帝王が静かに眠るように
天国に旅立って行きました。
先生には色々とお世話になり、心より感謝しております。
どうもありがとうございました。
△△へ一緒に行くことは叶いませんでしたが、
彼の魂と遺骨を一緒に連れて行ってやろうと思います。
日本に帰ってきた際にはまたお世話になることがあるかも
しれませんが、その時は何卒宜しくお願い致します。
ブログの件、問題ありませんよ!
きっと帝王も喜ぶことと思います。
帝王にとって私は本当に良い飼い主だったのかどうかはよく解りません。
もしかしたらこんな病気にならずに済む様な飼い方というものがあったのかもしれません。
が、それでも帝王は私達家族に本当にたくさんの喜び、癒し、思い出を与えてくれました。
今は言葉では言い表せない程感謝の気持ちで一杯です。
上手く言えませんがその様なことが他の飼い主様にも伝わる様な記事に仕上げて頂ければ幸いに存じます。
今の帝王の写真を添付しますので、必要あればブログで使って下さい。
今でもじっと見つめていると腹が動いている(息をしている)のではないか?と思ってしまう程安らかに眠っております。ご遺体のお写真の掲載に関しましてはご覧になられたことでお心を痛められた方もいらっしゃるかもしれません。もしそのような方がいらっしゃられましたら深く陳謝いたします。申し訳ございません。
掲載に関しては私自身迷いましたが、飼い主さんのご意向、そして何より一人でも多くの飼い主様にいつかは来る現実にどう向き合うのか、帝王君と飼い主さんは深い絆で共に戦われたのだと思い、帝王君のその姿を見ていただきたいと感じましたので掲載させていただきました。
謹んでご冥福をお祈りいたします。 合掌。